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[orca-users:01812] Re: OSについて



不遜を省みず、意見させて頂きます。佐藤@名古屋です。

現状のDebian+orcaの組合せについて肯定されている方の
論旨は以下のようです。
  大前提:「orcaはレセコン専用機である」
  →メンテは専門のサポート業者が行うべきである
  →メンテのしやすさ等などの理由からDebianが最適である
  →ユーザー(医者)がOSを気にする必要は無い

こういう前提ならば、ごもっとも。

ですが、orcaのホームページの各所には、こうあります。
概要解説:
>全国の医師、医療関係機関が誰でも無料で使え、改良できる公開ソフトウェア
>(オープンソース)方式でプログラムを配布します。
カラースライド6ページ目:
>組み込み作業(DIYか実費)
カラースライド8ページ目:
>(2)自院でORCAのレセコンを組み立て、自院でメンテナンスをする
Q&A集:
>医師ご自身がパソコンに詳しい場合は、独力で設置・運用していただくことも可能です。 

そして、実際に誰でもソフトが入手可能な状態にあり、
インストール方法まで公開されています。
(既存のレセコンはブラックボックスですので手も足も出なませんが)
医者はパソコンにも詳しい方が多いので、「これなら俺にも組めるかも」
と思う人が出て来るのは当然です。(・・・まあ、私もその口です。(^^;)

これは、ミス・リーディングなんですか?

>  しかし、そもそもORCAには「臨床医が自分でインストールし
> メンテナンスしてもらうことによって普及を図る」というような
> 考え方自体が最初から存在しないのです。

ミス・リーディングなんですよね、きっと。
だとしたら、早急にホームページの記載を変更し、
その様にアナウンスされるのが良いと思います。
そうでなければ、同じような意見が繰り返して出て来るでしょう。
中途半端に「自分でできる」と書いてあるから、誤解が生じます。

ただし、そうすると、今度は別の意見が出て来る事が予想されます。
「じゃあ、日医はサポート業者を儲けさせる為に、医師会費から
  開発費を出して、レセコンを作っているようなものじゃないか」
私なら、そう思います。医師会費は高いです。
喜んで払っている人はいますか? これに対し、
「安価なレセコンが普及する事で、いずれは医師に還元される」
というのは理想論ですが。実際には既存のレセコンメーカーと
対抗する価格ですら、採算性が危ぶまれています(須澤様の発言)。
冒頭の大前提に従えば、サポート業者がいなければorcaは使えない、
つまり利益が医者には還元されない、となってしまいます。
開発費が無駄になってしまいます。

だから、どうあっても、サポート業者が事業を始めてくれないと困る。
事業を始めるに当たって、必ずしも最初から黒字が出るとは限らない。
というか、赤字スタートの方が普通。でも、将来的には黒字になる
見通しが無いと、事業としては成り立たない。
具体的には、既存のレセコンのシェアを奪い取る事が可能かどうか?
と言う点がポイントになります。

では、医者がレセコンを選ぶポイントは何でしょう?
  信頼性>値段>将来性
この順だと言い切って、間違い無いでしょう。
このどこに、既存のレセコンにorcaが切り込む隙があるでしょうか。

信頼性については、既存のレセコンに絶対的な長があります。
というより、追い付く事さえ、まだしばらくは無理でしょう。

では、値段? 噂では、年に6〜8万円(改定対応料金込み)のサポート料金で
使えるレセソフトもあるらしいので、絶対的な優位とは言えない。
それどころか、少々の価格差なら、特に現在レセコンを使っている所ほど
値段が高くても実績と信頼性を重視し、同じメーカーを使うでしょう。
同じメーカーなら使い勝手が変わらない(はず)、というのも大きなポイントです。
それらの依存を打ち破る程の、大破格値が付けられるのなら、
状況が変わるかもしれませんが。それではサポート業者が成り立たないのは
前述の通り。

それに対し、「orcaは安いだけのレセコンではない」という意見も
たまに見掛けますね。これはつまり、将来性への投資、という意味でしょう。
できればいいです、できれば。でも、昨今の医療情勢で、そんな余裕が
あるのでしょうか? 開業に多額の借金を抱え込んでるのに、診療報酬は
減らされて、少しでも毎月の固定費を減らしたいと苦悩している声が
聞こえて来るんですけど、これは空耳ですか?
それとも、小泉と厚生省の横暴を、なんとかしてくれるのでしょうか?
ま、日医には無理でしょうけどね。

そうは言っても、orcaを導入する事で患者さんのためになるなら、
少々の自己犠牲を払う事も厭わないのが、真の医療人たるもの。
・・・なんですけど。本当にそうでしょうか?
レセの内容って、基本的には診療報酬「請求」のための物であって、
ORCAカラースライド13ページ目の様な患者情報の共有として
意味があるのは、「標準電子カルテ」の存在の方なのでは
ないかと思う訳です。
orcaの場合は、最終的にはすべての情報を集約するつもりの
ようですが。そうすると、レセ情報がネットワーク化されて、最大の
利益を得るのは患者じゃなくて実は「保険者」じゃありませんか?
スライドにも事務処理軽減と書いてます。その余力を使って、
診査が余計に厳しくなったら最悪です。例えば、何月何日は○×病院と
□△病院の両方受診してるから、両方とも診療報酬半分に減額、とか。
これは邪推ですか?

うーん・・・、話があらぬ方へ流れて行ったので、方向修正。(^^;

いろいろ意地悪に書いて来ましたが、かくいう私はどうかと言えば、
希望としては1年以内にorcaを本格稼働させたいと思っています。
動機は、価格です。
納得できる価格なら、サポート業者にお願いしても良いと思いますが、
そもそも名古屋に業者、いる? コンピュータに強いだけでは
ダメですよ。複雑な、複雑怪奇な医療制度「も」理解してくれて
いるところでなければ、頼めません。医療制度の解釈で迷った時とか、
きちんと教えてくれないと。
(その点、既存のレセコンメーカーは、さすがにしっかりしています)
いなければ、自分でやる覚悟です。だいぶDebian使い慣れましたし。
今は、下手するとMacよりも触っている時間は長いかも。
そいで、制度の解釈で迷った所は、保健医協会にでも聞くかなー。

そんなわけで。orcaにポシャられたら困ります。
日医のお金を使っているからこそ、いい加減な形で中断する事は
ないだろう、と考えています。サポート業者をサポートする秘策が
あるのならば、行ってください。ただし、泥沼にハマらないように。
「地域のサポート業者をいかに育成するか」が大切なのは
理解していますが、それが目的なのではありませんから。
サポート業者の育成が困難だとしたら、「臨床医が自分でインストールし
メンテナンスしてもらう」という形を中心に、前提を変えてでも
orcaを存続させてください。

長文で、失礼致しました。ちょっと、夜更ししすぎです。