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[orca-users:05948] Re: ORCA本稼働直前の質問



生越です。

> とは、言いきれない所がORCAのつらい所です。
> 日医の方針変更の内容によっては、プログラムが、
> いじれなくなる場合があります。
> 
> ORCAの使用許諾契約の第2章第1条の(3)では、
> 日医が、あらゆる個人法人に対し、ORCAのソフト使用を中止させる事が
> できる場合がある旨、記述されています。

  そー。それが現状の「日医ライセンス」の問題なんです。なので、これを改
善した次の版を作成中です。Ver 1の日医ライセンスは、いわゆる「フリーソ
フト界」の人間にとってみると、はなはだ不満なんです。なぜなら、OSD(The
Open Source Definition)に準拠していないので、厳密な意味での「オープン
ソース」ではないからです。

  とは言え、いわゆるコミュニティではなく法人格を持った団体が発注して、
法人が受注して、基幹業務を使うシステムの場合、果してOSDで良いのかどう
なのかと言うのは、あまり議論されてないというのも事実です。「オープンソー
ス界に身を置く立場」で言えば「OSD通すべきだろう」と思いますし、「基幹
業務開発をしている立場」で言えば、「果してOSDで十分なのだろうか」とも
思います。OSDの成立過程を知っている者にしてみれば、OSDを金科玉条の如く
受け取ることもおかしいと思いますし。

  件の条項の「心」は「日本医師会の名で公開するソフトウェアをあらゆる意
味での無保証と言い切ることが許されるのか」ということです。つまり、

・特許侵害のこと
・(多分ないはずの)著作権侵害のこと
・致命的なバグのこと
・継続的な品質確保のこと

  これらみんなを「無保証」と言い切れるかと。「無保証」にしちゃいますと、
誰かがどこかで保証を与えることをするか、「自己責任」ということにするし
かない。

  個人的には「どうせ保証しきれるものじゃないし、中途半端な保証なんてな
いのと同じだから、その代わり自由度を確保した方が有利だろう」と思うので
すが、それは私がその辺に妥協点を見い出しているからそう思うだけのことで、
そうと考えない人(他に妥協点を見い出す人)も少なからずいるわけです。

  これはこれだけの問題ではなくて、「日医はどこまで業者保護するんだ(ビ
ジネスまでフォローせんといかんのか)」というようなこととも関わりますし、
「サポセンにタダで営利使用してる人(もちろんサポセンはタダで使っていい
んだけど、それを利用して売りっぱなしにしている人もいるようで)」の問題
とか、「地方公費どこまで面倒見るんだ(当初は地方ベンダがやるという計画
だったのです)」とか、ありとあらゆる問題につながります。ライセンスとサ
ポートと運用は別」と言い切ってしまえば、いろいろ綺麗にケリはつくのです
が、それはそれで困る人もいらっしゃるようで(苦笑)。

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