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[orca-users:14412] 1ベンダーから見たオンプレORCA有償化とクラウド



お世話になります、スカイエスエイッチ長谷川です。

今回の有償化は、唐突かつ性急で、公式文書はORCAに深く関わっている先生
でもわかりにくいと思います。また、9月24日から先生方に順次届くFAXの
内容も公式文書と基本変わらないようです。我々ベンダーが約4年前から聞いて
いる有償化の経歴と、私の考えを纏めました。長文で失礼します。
以下敬称略です。

今回のオンプレORCA有償化の理由は、公式文書にはクラウド化の遅れと
将来的なITの展望以外には書かれていません。クラウド化を薦めているのに、
具体的費用やメリット・デメリットの情報は少なく、大変わかりにくいです。
メリットのみで、現状のほとんどのオンプレ環境をすんなり移行できるので
あれば、現在の採用件数300件強はあり得ません。
公式文書ではクラウドは無料に見えますが、具体的価格はこのメールの
最後に書いた通りです。
これまで10年以上金を払う必要がなかったものをこの文書で金を払って
欲しいと言われても納得がいかないのは、当然です。

我々が聞いている有償化の理由です。
日本医師会ORCA管理機構株式会社は、ORCAの5年での自立を目的とし2015年
12月4日に発足しました。ここでの自立とは、日本医師会からの業務委託費
無しでORCA全般を運用することです。ORCA管理機構発足の頃から有償化の
話はあったのですが、電子カルテなどの接続課金を主たる収入にする計画で
あり、無料を続けるとの方針になりました。ORCA立ち上げ時の理念の継続
です。しかしながら、クラウド電子カルテメーカーはオンプレORCAを自社の
クラウド環境で使ったり、我々ベンダーはあまりクラウドに手を出さ
なかったり(理由は後述)です。その結果収入は少なくORCA自立は厳しいものと
なりました。推測ですが、現在稼働中のクラウドORCAは、カスタマイズの問題、
クラウド個々の費用の問題により、費用のかからないコースばかりでは
ないのでしょうか。
日本医師会からの5年間である業務委託費の期限も迫っており、このままでは
ORCAの存続と自立は無理なので、致し方の無い有償化となりました。

以上を公式文書に書きづらいのもわかります。しかしながら以上を説明
しないと、何で金を払う必要があるかの疑問や憶測を生むだけになります。
有償化により、日本医師会、会長選挙結果によりORCAを続ける、続けないを
恐る恐る待つ必要は、なくなります。

私個人的には、「日本医師会からの業務委託費無し=ORCA有償化」であると
思います。クラウドORCAやカルテとの接続費用のビジネスを否定はしません。
しかし、期限の決まった金とロマン(前述のビジネス)にORCAの近い将来を
託し、ORCA管理機構発足時から時間をかけて有償化をやらなかったのかを
疑問に思っています。腹案でもあるのかと思っておりました。

有償化は、全ORCAユーザの先生に頭を下げてお願いするものだと思います。
多くの先生は、我々の大切なお客様であり、我々からも頭を下げてお願いを
しなければなりません。しかしながらあまりのも性急な日程の問題と、
医師会会費が絡む根本的な問題をお伝えするのは難しいと判断し、
ORCA管理機構に直接対応をお願いしたものです。また複雑な
販社経路により導入されているケースもあり、販社経由でこの費用を回収
しようと思うと、マージンが発生するのも要因の一つです。

9月24日の週からORCA管理機構から先生方々に直接、有償化に関するFAXが
届きます。ORCAに関わってきたベンダーの一人としましてご協力をお願いする
しかありません。ORCAの自立・独立・継続のためにも、よろしくお願い致し
ます。

ボヤくところがあまり無いので更に。
●ORCA管理機構が収支改善のために行ったこと1
認定事業所会費の一律値上げ
12万円/年→18万円/年
これで、ORCA管理機構が自立できるのであれば良いと思いますが、そうで
無い事は今回の有償化です。また、この金額は認定サポート事業所を名乗って
おればサポート先1件でも1000件でも同じです。
何で1件あたり500円/月とか1000円/月とかを取らないのかです。
これを言い出すと猛烈な反対を行う事業所も多いとは思います。
私は、サポート時間を長くしてくれる、日レセへの要望をもっと取り入れて
くれる等があれば、1件1000円/月は検討の範囲です。
現在の「10:00〜18:00土日祝日は休み」「クラウドORCAに集中して
おり新規開発は基本なし」は無いですよね。

●ORCA管理機構が収支改善のために行ったこと2
クラウド給管鳥
2800円/月(内VPN分、800円、最も使用実績が多いと思われる価格)
現在400件くらいだと思いますが、これでORCA自立ができますか?
ソフトウエア開発、クラウドサーバー運用等々考えると、まだ持ち出しでは
ありませんか。(違ったらすみません)
遅くともこの頃(去年の秋)から、本丸のORCA本体の有償化をやるべきでた。
我々ももっと協力できたと思います。

●クラウドORCA一律2000円/月は、大丈夫ですか。
損益分岐点となるユーザ数を教えていただきたいものです。


以上、結果論のボヤキと言っていただいて構いません。

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クラウドORCA(診療所向け)の費用

●現状の月額費用
ベーシックタイプ  0円
 周辺機器との連携やカスタマイズの無い日レセ クラウドを利用する。
スタンダードタイプ 1,000円/月
 日レセ クラウドの情報を参照する機器と連携する。
デラックスタイプ  3,000円/月
 日レセ クラウドの情報を読み書きする機器と連携する。

VPN
 ルータ型 60,000円(初期費用)、2,000円/月
 ソフトウェア型 パソコンごとに 800円/月

オプション費用
 カスタムバッチ   2,000円/月
  カスタマイズ帳票や医院独自の連携プログラムを動作可能とする。
 CLAIM、日レセのデータベースを直接参照 5,000円/月
  2023年3月までは無料。それ以降も無料を調整中

●2020年4月からの月額費用の予定
クラウドORCA一律 2,000円/月

VPN
 ルータ型 60,000円(初期費用)、2,000円/月
 ソフトウェア型 パソコンごとに 800円/月

公式文書3ページ目にある「※商用版パッケージ利用料(クラウド版では
免除)」の意味は、以上のクラウドORCA費用内訳に「商用パッケージ利用料」
との項目が無い事らしいです。さっぱりわかりませんね。

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弊社がクラウドORCAに前向きでない理由

カスタマイズ帳票などは、ほぼ全面作り直し。
 過去のカスタマイズ帳票は、MONPE redファイルを除いて使えません。

クラウドORCAからオンプレORCAにバックアップができない
 トラブルがあればトラブルを解消してくれるまで待つしか無い。すでに
 数日動作困難となるトラブル発生。
 私個人のクラウドの恐怖は、数年前にあったファーストサーバのトラブル
 です。管理プログラムのミスにより5万ユーザのメール、ホームページ、
 予約のデータすべて消えました。

インターネットトラブルがあれば、解消するまで使えない
 オンプレにバックアップができればと思います。

診療行為登録完了→印刷が遅い。10秒程度かかる

前述の複雑な価格
 弊社の平均的なお客様は、クラウド分で8000円くらいかかる。

難解なカスタマイズのマニュアル
http://www.orca.med.or.jp/ginbee/

以上は、いずれ改善されると思いますので、その際に進めます。
クラウドそのものを否定しているわけではありません。


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