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[orca-users:08066] Re: 長崎での日医ITフェア



本田先生、ORCAサポートセンタ(OSC)の永島です。
長崎ではお世話になりました。
このようなお褒めの言葉をいただけるとは思いませんでした。
ありがとうございます。

各地で講演活動をしていますが、このような場所で実名でコメントを
いただいたのは初めてでして、先生についにやられてしまいました。
さらされついでに、下記、会場での質疑応答をご報告してみます。

On Sun, 11 Sep 2005 20:07:21 +0900
本田孝也 <honda@xxxxxxxxxxxxxxx> wrote:

> 長崎の本田です。
> 
> 9月10日に永島道夫OSCセンター長をお招きして長崎市医師会で
> 日医ITフェアがありました。

私たちとしましても、手応えある(手厳しい?)イベントでした。
ご参考までに、お話しさせていただいた後の質疑応答を私の記憶に
たよって掲載させていただきます。頼りない私の記憶のせいで、
当日の発言と異なっていたり、抜けがある場合は、長崎市医師会事務局で
ビデオ撮影されてますのでチェックしていただければ幸いです。
更に、その場で当意即妙に答えられなかったこともこの返信で書き
足してみまました。

Q:「日医はORCAを発展させて電子カルテするという展望はないのか?」
A:「やりません。その替わりCLAIMと呼ぶ接続の方法を提供します。
すでに15種ほどの電子カルテがORCAと連携しています。CLAIM自体も
入院対応などを順次規格化してゆきます。電子カルテに関しては
適宜、ORCAと接続可能な、先生にとって最適と思われるものを選択して
いただきたい。先生100人いれば100とおりの電子カルテが必要とも
言われているように、点数計算、請求処理をすればよいレセプト処理と
比較し複雑さ、多様性への対応は桁違いに困難です。
ですので、それぞれの現実の電子カルテにも診療科ごとに得手不得手が
あったりします。
ある電子カルテは手書きタブレットでの入力で、キーボードを使わ
なくても良いし、ある電子カルテは小児科の先生が指導されたので、
処方に力価での入力ができたり、あるものは眼科に強くてファイリング
システムとも連携したり、など、さまざまな選択肢があります。」
□参考:http://www.orca.med.or.jp/community/link/link.rhtml#epr
        ORCA Project/コミュニティ/関連リンク集

Q:「ORCAの稼動実績グラフを見ると、加速度的に普及が進んでいる
とは見えない。直線的に伸びているだけのように見える。市場を
席巻するソフトウェアの場合直線的ではなく指数関数的に伸びる
ものだと思うが、日医標準レセプトソフトは大丈夫か?」
A:「何事にも『クリティカルマス』というものがあり、市場全体の
あるパーセンテージを超えない限り市場浸透率が加速化しません。
日本では200万普及というのがマジックナンバーで、i-modeや、
写メールなどこれを超えたら爆発的な普及が始まったそうです。
日レセは(減ってはいません)そのクリティカルマスに向かって
着実に増え続けているとお考えください。来年度はきっとその
加速の波がやってくると信じていがんばっています。」

Q:「ORCAは安価で、利幅がないと聞く。ベンダがなぜORCAをやるのか
理解できない。なぜ彼らはORCAをやるのか?」
A:「ORCAだけのビジネスは厳しい。(ORCAはふりかけ)なので、独自の
付加価値をもったベンダがORCAを扱ってもらうのが良いかも知れない
(もちろん、ORCA単体でも工夫次第で利益を出せる方法はあると思う)。
いずれにせよ、ORCAとそれに関連するビジネスの幅を持たせることで、
サポート事業所の皆様がORCA事業を継続的に推進できるよう、来週から
全国行脚して、サポート事業所会議なるものを開催します。福岡、
大阪、名古屋、東京、仙台、札幌の六カ所です」

Q1:「メーカ(の代理店のひと)は自分たちはある組織にお金を払って
事前に改訂関連の情報を入手していると自慢していた。
そういう業界団体は本当にあるのか?改訂の時は厚労省の告示から
4月1日まで時間がない。日医はちゃんと情報収集活動をしているのか?」
A:「そういう業界団体として保健医療福祉情報 システム工業会、JAHISと
言うのがある。ORCAプロジェクトも関連組織を通して会員になっている。
E会員の入会費10万円、年会費40万円。日医はもちろんさまざまなルートを
通じて情報を入手できる立場にあるので大丈夫です。」

会場の反応:「なんだやっていたのか。良かった。それにしても
メーカ系のひとは金額を言わなかったからとんでもなく高いお金を
払わないと情報が手に入らないのかとおもっていた
(だから、日医には手が出ないのだとメーカ系の人は暗示した)」
□参考:http://www.jahis.jp/    JAHIS Webサイト

会場の反応:「入手したその情報を日医は会員に開示すべきではないか?」
A:「済みませんが今はそのままの提供はそれはできないのです。ただ、
可及的速やかに日レセに反映させることで会員先生への実質的な開示、
情報提供となると思います。」

Q:「最近災害が多い。バックアップが重要だと思うが」
A:「個人情報保護法に伴い日医としてオンラインバックアップサービスは
中止していますが、同様のサービスを提供する民間企業が出てくると
思います」

Q:「ORCAはノートPCにインストールできるのか?ノートPCなら万一の
災害の際も、抱えて避難できる」
A:「可能です(が、詳細はお近くのサポート事業所、もしくは、日医総研
導入相談窓口まで)」。
□参考  http://www.jma-receipt.jp/support/contact.html

Q:「ORCAは既に稼働中。VPNで常時接続しているが、セキュリティ上大丈夫か?」
A:「(絶対完全と言うものはないので)契約など取り決めが大事です」。

Q:「医療機関⇔ベンダ⇔日医というように、ベンダとつなぐと日医にも
自動的につながって、日医が医療機関のデータを吸い上げたりしないのか?」
A:「そんなことは絶対にありえません」

などなど、きびしくご指摘をいただきました。
その真剣さにたじたじでした。
服装でそれとわかるカトリック系のシスターお二方が参加していたのが
いかにも長崎でした。

今後とも、よろしくお願いいたします。

《追伸》
なお、今になりましたが、東京都医師会HOTプロジェクトイベントでは
大橋先生、高瀬先生、多くの先生、事務局の皆様にお世話になりました。
なにを今更と怒られそうですが、この場を借りましてお礼申し上げます。