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[orca-users:08413] Re: NEOについてお教えくださいませ



阿部隆明先生、ORCAサポートセンタ(OSC)の永島です。
神戸のMOSS3以来ご無沙汰しております。

以下、インラインにてコメントいたします。

On Sat, 10 Dec 2005 10:53:05 +0900
Takaaki Abe <open365@xxxxxxxxxxxxxxxxx> wrote:

>  皆様、こんにちは。
>  安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院と申します。
>  このMLの過去の書き込みに対して質問です。もしできましたら
> 日医総研の方にお教えいただきたいのですが、お願いできますで
> しょうか?
> (直接お尋ねすることも考えたのですが、公表できるデータで
> なければ意味がないと思い、MLでご質問させていただく次第です)
>  主にNEOについてですが、実はあるMLで次の文章が問題に
> なりました。
> 
> http://ml.orca.med.or.jp/orca-users/msg06704.html
> 
> >>  従来のレセコンから離れられない理由としてサポートへの
> >>  心配という側面も大きいと思います。上記のようなサービ
> >>  スをしてくれるのであれば、導入に弾みがつくかもしれま
> >>  せん。
> >
> >もしそうすることで飛躍的に導入件数が増えるのであれば、
> >そうしない理由は無いとも思います。実現するための条件を
> >満たすために潤沢な資金を使っても良いのであれば実現不可能では
> >無いでしょう(有償サービス化するとか)。

OSCによる既存機種データ移行サービス(有償)はそのためのモデルの
ひとつでした。ただ、価格設定が非常に難しいこともわかりました。
残念ながら「潤沢な資金」を得るには至っておりません。おかげさまで
このサービスは何とかパンクせずに回っていますけれども。
なお、このサービスにしてもお仕着せではありません。

・ブラックボックスにしない。
・選択的自由がある。

このふたつはORCAプロジェクトにおける重要な原理だと思います。
// そのほかにもあるとは思いますが。

> >資源もないのにサービス(通常は継続的なサービス)提供し始めて、
> >結果的にパンクするということは避けねばなりません。

ただ、レセコンを導入する為に必要な工数、サポートの工数の画期的な
削減方法が見つからない限り、どのように潤沢に資金をつかっても、
例えばハードウエアを単純に安く、あるいは、無料で提供しても、
継続性が得られません。レセコンとしてスムースに移行できて、
安定して使い続けられるための条件・関門はいくつもあります。
「飛躍的に導入件数を増やす」ためなら悪魔に魂を売っても良い
と思うこともありますが.....

>  この書き方が、あるMLで問題になったのですが、

はい、存じております。
NEOはあくまで緊急オペレーション(作戦行動)ですので、定常的な
サポート・サービスではありません。また、現在、日本医師会の
予算で活動しておりますので、対価はいただいておりません。

このことをもって、「民業圧迫ではないか」という意見の方もお持ちの
ようですが、たかだか年間20回程度の活動が認定サポート事業所殿の
ビジネスを圧迫するはずがありません。
逆に、トラブルを放置することによる、ドクタ・コミュニティでの
ネガティブな風評を水際で防止することで、企業として行われている
サポート事業所殿の営業活動を間接的に支援しています。

売りっぱなしで、後のサポートをOSCに押しつけるベンダの発生を
助長するのではないか、との懸念もあります。実際に似た事象が
ありましたが、その場合には積極的に介入・指導を行いました。
サポート能力を高めていただくために、日医IT認定企業になって
いただくとか、可能なかぎりの対応をしてきております。

そもそも会員によって構成される日本医師会のプロジェクトです。
もし、上記のようなベンダが現れた場合、たちまち日医総研なり、
日本医師会本体なりに通報が入ります。我々はそこからNEO等の
アクションを起こすことができたわけです。

個々バラバラに分断され、情報の共有ができない、逃げることも
できないロックインされた既存レセコンメーカのユーザとはその
お立場が根本的に異なるはずです。

> 例えば今後、日医総研としてサポート事業を行うという
> 方向性は考えておられるでしょうか?

申し訳ありません。本件は、OSCからはお答えを差し上げられません。

> (私個人的には、NEOはあくまで例外的な「緊急」であり、
> 有償としても常態化すべきではないと考えていますが…
>  せっかく、各地域のサポートベンダー事業も順調に伸びて
> いるところですし)

問題は
(1) 順調に伸びていない地域(まだまだ多いです)をどうするか、
(2) 日レセは使いたいが企業に依存したくないユーザをどうするか、
です。
育ってくるのをひたすら何年でも待つのも一つの方法です。
企業とのおつきあいの仕方をお教えするのも重要でしょう。

日医総研・ORCAプロジェクトには普及促進チームが結成され、専任の
主任研究員も着任したようですので、他にも方法がないか検討は
されているはずです。方法は必ずあるはずです。
OSCのミッションは決定事項の実装と運用です。
(主に間接的)ユーザサポートを通じて、安心して使える環境を
皆様にご提供できればと念じております。

>  また2004年、2005年のNEOの発生件数、また、それが
> どのような状態下で起こったか(自力導入なのかベンダー導入
> なのか。またベンダー導入にしても、それが認定であったのか
> 非認定であったのか)それぞれの件数内訳を公表していただけると
> ありがたいのですが…
>  すみませんが、どうぞよろしくお願い致します。

正確な統計がすぐでなくて申し訳ないのですが、
2004年度: 24件
2005年度: おそらく2004年と同程度(と予測)。
平均して、月に1〜2回程度でしょうか。
傾向として、診療所(無床)では自力エンドユーザのトラブルが
増えているように見えます。安価だからという理由でのハードウエア
選定はやめていただきたいと思います。自院の情報、売り上げを
管理する極めて重要なシステムです。市販のPCで日レセが使えることに
変わりは無いのですが、選定の基準を少し高くしていただければと。

こういう議論が必要な状況を他のレセコンメーカ、代理店は冷ややかに
見ていると思います。

また、病院(有床)医療機関へのNEOが目立ちます。
サポート事業所、特に、認定サポート事業所が付いていてトラブル
が発生するということは少なくなって来ています。このことは、
サポート事業所全体的な経験値の上昇、レベルアップが確実に図られ
ていることを意味します。
全国の導入予定の医療機関にとっても安心すべき状況と言えましょう。
ある意味「(サポート事業所が)自然淘汰されてきた」とも言えます。
ORCA経済圏に於いて生態系の多様性を維持する重要性はここにあります。

なお、個別にはそれぞれ固有の問題をもつ場合はあると思います。
あくまでも、マクロに見ているOSCとしての見解です。つまり、
「どこそこのサポート事業所はこれこれだったぞ」という事が
無いとは言えません。同じサポート事業所でも、担当者が違えば
異なった印象を持たれるということも多々あります(ありました)。
ただ「認定」を持っているだけではなく、どのような練度のスタッフを
どれくらい雇傭しているか、実績を上げてきたか、が問われる段階に
なってきたと思われます。
認定制度自体もこれに対応して次のステップに進む可能性はあり得ます。
「ORCAに関して情報を取るためだけに認定を取得している」ベンダへの
対応も考えなければなりません(販売実績から簡単に割り出せます)。

認定有資格者もその練度が問われる段階がその次に来ると予想します。

> Takaaki Abe mailto:open365@xxxxxxxxxxxxxxxxx

これでお答えになっていれば良いのですが。
長文、失礼いたしました。