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[orca-users:07961] Office InfoPathの医療用テンプレート提供



 皆様、こんにちは。
 安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院です。
 以下の興味深い情報を、他のMLで教えていただきました。

http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2337
http://www.microsoft.com/japan/presspass/addcont.aspx?addid=660

 以下、himedaruma, ORCA-user, MOSSへの同報メールとします。

 ここから今後のMicrosoft社の日本の医療分野への進出戦略の
一端が伺われて興味深いですね。

 Microsoft社は言わずと知れた世界最大のソフトウェア会社
ですが、他のソフトウェア会社にない、世界最大にのし上がった
所以でもある稀有な特徴として、

「その莫大な資本力を武器に、当初は収益が上がらない事業に
対しても長期戦略によって最終的にシェアを独占してしまう」

 という点があげられます。

 よく、「Microsoft社の製品は、バージョン3になるまでは
使い物にならない」と悪口を言われますが、この悪口は裏を
返せば、バージョン3まで収益が上がらなくても、続けて改良
する体力がこの会社にはあるということであり、そしてそこ
まで持続して改良すると、あとは一気にシェアを握ることが
できる、という恐ろしさの裏返しでもあります。

 WORDにしても、Windowsにしても、バージョン2あたりくらい
までは、はしにも棒にもかからないソフトでした。
 これが普通の中小のソフトウェア会社なら資金ショート
しているところですが、ここからがこの会社の見せ所です。
 その圧倒的な資本力を武器に、徹底的な持続と改良により、
ついにはシェアを独占してしまう。それがこの会社の凄さで
あり、恐ろしいところです。

 さて、
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2337
http://www.microsoft.com/japan/presspass/addcont.aspx?addid=660
 なのですが、短期的にはたいして使われないでしょう。
 これを使うためには、まずInfotPathがないといけないのですが、
http://www.microsoft.com/japan/office/editions/howtobuy/compare.mspx
 を見てもわかるように、InfoPathはOfficeの中の
Personal EditionやStandard Editionには含まれておらず、
Enterprise Editionにしか含まれていません。これ以外の
Officeユーザーはお金を出してInfoPath単体を購入しないと
いけないわけで、いくらテンプレートが無料で提供されたと
してもInfoPathを別に買わないといけないとなると、実際に
使う人はかなり少ないと思います。
(実際、私も別にInfoPathを購入した人間です)

 しかし、そこは長期戦略がとれるMicrosoft社です。
 もし私がMicrosoft社幹部であれば、医療分野も含めて、
だいたいこなれた良いテンプレートが揃ったところで、
普通のビジネスユーザーが使うOfficeのStandard Edition
の中にInfoPathを含めてしまいます。

(IEを無料でWindowsにつけるくらいのMicrosoftですから、
その点での躊躇はまずないと思います)

 今や誰もがOfficeを直接的、もしくは間接的に購入する
時代です。(先日、うちの妻がVaioを買ったら、やっぱり
最初からOfficeが入っていました)
 パソコンに最初からInfoPathが入っている。そしてその
テンプレートが無料で使える、となると、俄然、多くの
医療関係者がテンプレートを使うようになるでしょう。

 さらにInfoPathの凄いところは、
「テンプレートの開発が簡単」
 ということです。XML Schemaを書いて、それをInfoPath
に放り込んで、そして体裁をちょいちょいいじれば、それで
テンプレートのできあがり。その改良も比較的容易にでき
ます。改良されるスピードは早いでしょう。

 さて、多くの医療関係者がInfoPathで紹介状や診断書を
書くようになれば、いちいちプリントアウトしなくても、
紹介状などはネットでInfoPathのXMLデータを送るだけの
方が簡単ということに早晩気づくでしょう。
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2337
 に

>病院、診療所間の新しい病診情報の連携を実現すると共に、
>ペーパーレス化によるコスト削減を促進します。

 と書かれているとおりのことになっていきます。
 現在、Microsoft PowerPointのデータがあれば全国どこの
研究会場に行ってもスライド発表ができるわけですが、同様に
InfoPathのXMLデータがあれば、全国どこの医療機関でも
紹介状など情報のやりとりができる世界ができあがり、
私たちはますます「マイクロソフト依存症」となり、
同社の設計した医療XML規格が「実質上の標準」となり、
同社はそれを足がかりにさらに電子カルテ等、日本の医療分野へ
食い込んでいく…

 という未来が見えそうですね(^^;)

 というわけで、この状況を長期的に放置しておくと
「日本の医師、医療機関はMicrosoft社に首根っこを掴まれる」
 という状況が発生すると予想されるわけですが…
 どうしますか?(^^;)

   〒680-0841
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   安陪内科医院
   Tel.0857-26-6675
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   安陪隆明
   takaaki_abe@xxxxxxxxxxxxxxxxx

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