[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[orca-users:03285] Re: VM-Ware への・・・(改題:全医協の件)



 中山様、皆様、こんにちは。
 安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院です。

>こうい議論はいかにも技術論のようでもあり、実は
>医療情報の標準化とも密接にかかわり、今後の電子カルテの
>設計にも多きな影響があります。各開発者が自由にすべき部分と
>自由にすべきではない部分とあります。

 肝はここなんですよね。
 ORCAにおいては、CLAIMやハカマのような規格が採用された
わけですが、OPASはどうするのだ、という面がすっぽり抜け落
ちているわけです。

 昨年、ある医療情報部教授の方とお話した際に、
この方は実際にレセコンデータの解析経験がある方
なのですが、
「レセコンだけからの情報を集めて解析できることと、
電子カルテも含めて情報を集めて解析できることの
質と量は比較にならない。しかし、今までレセコンだけ
からの情報を集めることすらできなかったのだから、
それだけでも意味がある」
 という話が出て、私もそのとおりだと思いました。

 OPASは電子カルテ開発キットですが、電子カルテを開発する
上では
「医療情報の標準化という問題についてどこまで踏み込むか」
 というスタンスを決めることが求められます。
 もちろん、一番楽なのは
「医療情報の標準化という問題に一切関わらない」
 というのが一番楽ですし、そうしている既存の電子カルテが
大半でしょう。
 実際、HL7だぁ、MMLだぁ、J-MIXだぁ、という話になってく
るとかなり大変です。

 しかし、ORCAの基本理念となる「日医IT化宣言」では
http://www.orca.med.or.jp/sengen/declaration.html
「誰もが自由に利用できる開放的なネットワークを形成し、
国民に高度で良質な医療を提供することをめざします」
「日医のORCAは、医療情報交換の標準化を効率的に
進めることを狙いとして」
「従来のような「先導者なきシステム普及」よりも、医療
のプロ集団である日医が先頭に立ち、公共財としての医の
情報系ネットワークづくりへ向けてイニシアチブを取る
決意をいたしました」
 と謳われています。

 このような基本理念を持つORCA-OPASが、診療情報の
交換の大前提となる、医療情報の標準化という問題に
対して、
「医療情報の標準化という問題に一切関わらない」
 という態度をとっていいのか?
 これは、ORCA-OPAS「日医IT化宣言」の基本理念を
問われる問題なのだと私は考えています。

 今のORCAスタッフには、とてもこの大きな問題を考えて
いる余裕はないでしょうが、この問題の中心に立つ人間を
新たに日医総研に招くとか、そういうことを考えないと、
「日医IT化宣言」の基本理念自身が問われる事態に陥ると
私は思います。

   安陪隆明
   〒680-0841
   鳥取県鳥取市吉方温泉3丁目811-2
   安陪内科医院
   Tel.0857-26-6675
   Fax.0857-21-3131
   abe_takaaki@xxxxxxxxxxxxxxxxx
   takaaki_abe@xxxxxxxxxxxxxxxxx
   http://www.abe.or.jp/
   http://www.yuragi.jp/playxslt/index.asp