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[orca-users:01122] Re: 電子カルテについて(長文です)



 河合先生、こんにちは。
 安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院です。
 先ほどはさーっと書いただけでしたので、もう少し詳しく
書かせていただきます。

>1:カルテの再現ができないのではないでしょうか

 はい、できません。ハッシュをとるのはあくまで「真正性」の
ためであって、「再現」とか「データのバックアップ(保護)」とは
まったく別の問題です。

>たとえば2002年7月15日にハッシュ値αを求めます。αがその病院の
>この日までのカルテの真正性を証明するとしましょう。

 ちなみに「この日までの」というのはいいのですが、
「いつの日から」ということが問題になりますね。
「電子カルテを導入した日から」というわけではありません。
 例えばB社電子カルテで1ヶ月毎にハッシュ値を求める場合は、

「2002年6月16日から2002年7月15日まで」のハッシュ値

 という形になると思います。

>そして7月16日から日々の診療でカルテを書いていきます。すると元のカルテは
>修正履歴が加わり、変化していきます。たしか同社はカルテはPDF形式で保存す
>るように思いましたが・・・。
>さて7月22日で1週間がたち、先週の診療録を少し書き換えたとします。たとえば
>患者の言い間違いを1週間目の再来で訊き、打ち直すとか、自分の打ち間違いで
>右左を直すことになったとしましょう。
>7月22日が終わり、今週のハッシュ値βが計算されます。すると、7月15日の時点
>のカルテはもはや再現されないのではないでしょうか。

 B社はPDFでしたっけ?
 まあそれはともかく一般論になりますが、7月22日の「修正」というのは
あくまで「追記」であって、それはコンピュータ上では「差分データ」と
いう取り扱いになります。

 7月15日の診療記録 + 7月22日の修正差分データ
          ↓
 表面上は7月22日の修正された姿が見えるが、記録上は
7月15日の診療記録がまったく変更されずに残っている。

 という形になります。
 すると今度は「7月22日の修正差分データ」を含めて、翌月の
「2002年7月16日から2002年8月15日まで」のハッシュ値、が
求められます。

 変更されていない7月15日の診療記録は
「2002年6月16日から2002年7月15日まで」のハッシュ値
で改竄されていないかどうかが証明できます。

 7月22日の修正差分データについては
「2002年7月16日から2002年8月15日まで」のハッシュ値
で改竄されていないかどうかが証明できます。

 それぞれにより両者が改竄されていないことが証明される…
 という説明で御納得いただけたでしょうか?

   安陪隆明
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