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[orca-users:00406] Re: 日医の後方支援策



安陪先生、こんにちは
有家@松山記念病院です。

date: Mon, Apr 29, 2002 at 10:09:56AM +0900
from: 安陪隆明 <takaaki_abe@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
>
>  このことを理解すると「Windowsベースのレセコンソフトなら、
> メーカーに頼らずとも自分で操作設定できるのに」という批判が
> まったく的外れであることがわかる。Windowsベースであっても、
> それで自分でレセコンをメンテナンスできる医師などほんの一握
> りである。そうではなくて、仮称ORCAの目指しているものは、
> レセコンを使っている全医療機関の「囲い込み」からの開放と、
> コストダウンなのである。

同感です。

▼
ちょっとこのスレッドのtopicから外れるかも知れないのですが
「囲い込み」についての私の話をします。昔話をひとつだけ。

私は愛媛県松山市にある民間の600床超規模の病院に勤務する精神科医師です。
入院されているのは主に精神疾患を持つかたがたです。

病院へのレセプトコンピュータの導入は昭和56年頃だったと記憶します。
私がこの病院に勤務するようになった頃が、ちょうどその時期でした。
以後、私はある時期、数年間その運営委員会の責任者を勤めました。
その委員会は、院内で情報処理委員会と呼称していました。

もともと興味のあったコンピュータについて勉強することは苦痛ではなかったのですが
立場上、メーカーやベンダーとの折衝にも立ち会い、いくつかの修羅場も見ました。
現場の問題や、業界の動向等についても、肌身で感じて来ました。
私と一緒に働いてくれた優秀な事務職員のおかげで、何とか切り抜けて来られました。

私個人が、当時のレセコンに望んでいたのは、ささやかなことでした。
集積された患者データを元にして、医療、看護、経営、それぞれの分野での分析を
おこないたい、ということでした。
しかしこれは当時、実現しませんでした。
レセコンのデータをパソコンで利用したい、という申し出は
「できません」という営業担当者のひとことで却下されました。
レセコンは医事会計だけをすればよい、パソコンにデータを移すなどということが
どうして必要なのか、という居丈高な「正論」であったように記憶します。

無理と言われると俄然、やる気になるもので、私はそのレセコンと医局のパソコンの
唯一の媒体であった5インチのフロッピィディスクを通じて、データを吸い上げる
ツールを書きました。(詳細は下記同梱のドキュメント参照)

 http://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se014537.html

これを、もし同じような環境で困っている人のために、何とか汎用化できないものかと
考えたのですが、結局、非常に複雑なインターフェースの産物のまま未完成です。

今のレセコンは、さすがにデータを静的に取り出すことは出来るようになっていますが
独自仕様の壁は、それこそいたるところに仕掛けられています。

あのときの、ほとんど憤りにも似た感情が、いま私をこのプロジェクトORCAに
向かわせている原動力であるように思います。

ユーザーはもっと知識を持たなければいけません。
良い製品と、良い業者をみきわめる目を養うことが涵養です。

私は「おたく」とか「趣味で」とか、どのような呼ばわれ方をしても甘んじます。
実現したい vision がある。
今、このプロジェクトORCAが、私のその vision に最も近いものである。
そう感じています。


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yoariie@xxxxxxxxxxxxxxx
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有家佳紀  Yoshinori Ariie