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[orca-users:00401] Re: 日医の後方支援策



大阪の雨宮と申します。
長島先生の意見にまったく同感です。
ORCAはこれからの医療環境のIT化で絶対に必要な、「共通フォーマットの提供」という大きな使命を持っているはずです。ORCAが成熟すれば、proprietaryなフォーマットを武器にユーザーを囲い込んできたレセコンベンダーは結果的に戦略の再考を余儀なくされるでしょう。
インストールが難しいからWindowsに移植すればとか、安価でなければ意味がない(それは安いに越した事はありませんが)というのは少し短絡的に聞こえます。あえてオープンソースにし、まだ一般には敷居の高いLinuxをplatformに選んだ意味をよく考える必要があるように思います。

違うスレッドですが
> ●ところで、オープンと言うことは、日医会員でなくても、会員と同じ価格で購
> 入できるのでしょうか。
このあたりのことはORCA web page
http://www.orca.med.or.jp/sengen/license.html
http://www.orca.med.or.jp/sengen/license-comment.html
に詳しく解説されています。
「同じ価格で購入」というフレーズにちょっと驚きました。普通オープンソースといえばもとのプログラムは許諾条件に従うかぎり無料でDL使用が常識です。
カスタマイズしたパッケージをベンダーから有料で購入する場合は勿論あります。

つい書いてしまいましたが、このMLが不毛なフレームに陥らないことないことを心から願っています。

>  この部分の認識で、私はまったく正反対の認識を持っています。
>  主張すると長くなるので、昨年7月に書いた、
> http://www.abe.or.jp/orca.htm
>  より引用しますね。内容が一部古いのはご容赦くださいませ。
>  レセコンの世界は「完全な自由競争」ではなく、アダム・スミス
> が言うところの「神の見えざる手」が働いていない、というのが
> 私の主張です。
> 
> ---------------------------------------------------------------
> 
> 「レセコンの本当の問題点は何か?」
> 
>  ここで現在のレセコンが抱えている問題点をあげてみると、
> レセコンに対する不満の大きなものとして、
> 
> (1).現在の機種に不満なので、他メーカーの機種に乗り換えた
>     くても、データの移行が困難である。
> (2).一般の数十万円のパソコンとたいして変わらないように
>     見えるのに、数百万円もして、割高感が強い
> 
>  という2点があげられるであろう。ちなみに(1)が原因になっ
> て(2)が生じているとも言える。もし簡単にデータ移行できる
> なら、より安くてより高性能でよりサポートの良い他機種に
> 各医療機関はどんどん変えられるわけで、そうなると必然的に
> レセコンの値段は下がってくるはずである。すなわちアダム・
> スミスが言うところの「神の見えざる手」が働くわけだが、
> しかし実際にはレセコンはこの「神の見えざる手」が働かない
> 世界の商品となっている。その原因はまさしく「データの移行
> 困難」に起因するものである。各社レセコンとも独自のフォー
> マットによりデータを管理している。そのため(1)及び、それに
> 起因する(2)の問題が起きてくるのである。
> 
>  それでは、各レセコン業者に「データの移行が容易になるよ
> うにフォーマットを統一してください」と頼めば、それは解決
> されるのであろうか? まず望み薄である。何故ならせっかく
> 「独自のデータフォーマット」という「囲い込み」の中に顧客
> である医療機関が入ってくれているからこそ、医療機関は高額
> のレセコン費用を払ってくれているのである。その「囲い込み」
> をわざわざ取り払って顧客を逃すようなことを、レセコン業者
> が自らするであろうか? そんなことをするレセコン業者は普通
> 存在しない。
> 
>  それでは我々はどうすればいいのであろうか? 各レセコン業
> 者の「囲い込み」の中で高額の費用を払いながらずっとそこに
> いなければならないのであろうか? もちろん若干の苦労が伴う
> が、他メーカーの機種に乗り換えることは可能である。しかし
> そういう苦労をしても結局、ある「囲い込み」から別の「囲い
> 込み」へ移動するだけにすぎない。
> 
> 「オープンソースビジネスモデル」
> 
>  このようなデータやアプリケーションソフトウェアによる
> 「囲い込み」は、別にレセコン分野に限らず、ソフトウェア
> 産業全般の中で一般的によく認められる現象である。最もよく
> 見られるのがWindowsというOSであり、ExcelやWordといった
> ソフトについてである。私は「Microsoft依存症」と呼んでい
> るが、これらのOSやソフトがなければ仕事そのものまででき
> なくなってしまう企業は少なくない。依存症を起こしてしま
> うと、もはやメーカーの言いなりにお金を払わざるを得なく
> なってくる。
> 
> (ちなみにMicrosoft社の新しいOffice XPでは、絶対に一つの
> ソフトが一台のパソコンにしかインストールできないコピー
> 防止策が設けられたため、複数のパソコンでOfficeを使って
> いた企業は、これから莫大な費用を支払っていかないといけ
> ないものと思われる)
> 
>  このような形態のソフトウェアビジネスは、今までコマー
> シャルソフトウェアの世界では常識になっていた。しかしそ
> の一方で、これとはまったく違うソフトウェアビジネスの形態、
> いわゆる「オープンソースビジネス」と呼ばれるものが、今
> どんどんと伸びてきている。
> 
>  例えば、サーバを置く企業や組織がどんどん増えてきてい
> る中、オープンソースで無料であるLinuxというOSを使用する
> 企業や組織は少なくない。Linuxは信頼度が高いとはいえ、
> あくまでオープンソースで無料であるから、それで問題が起
> きたときは、採用した企業なり組織なりが自分で責任を持っ
> て対処しなければならない。しかし、それでは大変だ、とい
> うわけで、代わりに責任を持って運営するメンテナンス業者
> が出てきたのである。これにより、コマーシャルソフトウェ
> アを購入するよりもはるかに安い金額で、安心してLinuxを
> サーバに使うことができるようになった。その一方でメンテ
> ナンス業者の方は、ソフトウェアにお金を払う経費を浮かし、
> 自分達の持つ高い技術で直接利益を得られるようになった。
> もちろん顧客がそのメンテナンス業者を気に入らなければ、
> 他のメンテナンス業者に切り替えることは比較的容易である。
> オープンソースという中身の見える物を使っているので、
> メンテナンス業者は交換可能な存在となり、メンテナンス業者
> 間で「より安く、より質の高いサービス」を目指す公正な競争
> が生じることになる。すなわちアダム・スミスが言うところの
> 「神の見えざる手」が働く世界となっている。このようなオー
> プンソースビジネスは、顧客にも、メンテナンス業者にも、ど
> ちらにも高い経済的メリットがあるため、このような形態の
> ビジネスが現在どんどん伸びているところである。
> 
> 「仮称ORCAとオープンソースビジネスモデル」
> 
>  さて仮称ORCAの構成を見ると、それを構成するパーツがこと
> ごとくオープンソースソフトウェアで揃えられていることに気
> が付くであろう。データベースエンジンにはPostgreSQL、OSに
> はLinux、暗号部分にはGNU PGPと、これらはすべてオープンソー
> スソフトウェアである。そして開発されたレセコンソフトその
> ものをオープンソースにすることが既に発表されている。厳密
> に言うと現時点でパーツの中でCOBOLのみがオープンソースでは
> ないのだが、これも本格運用時にはオープンソースのCOBOLに
> 切り替えられる予定であるという。そうなると仮称ORCAを構成
> するすべてのパーツがオープンソースソフトウェアで取り揃え
> られることになる。
> 
> (さらに細かいことを言うと、本稼動時に、日本語変換IMとして、
> 最も日本で人気のあるコマーシャルソフトウェアのATOKを採用
> する予定もあるという。ただしこれは本質的な部分とは関係の
> ない交換可能なパーツである)
> 
>  何故、このように仮称ORCAはすべてオープンソースソフトウェ
> アで取り揃えられているのであろうか?
> 
>  その理由は、日医総研が、現在のレセコン業界のビジネス形態
> をオープンソースビジネスモデルに切り換えようと画策したから
> であり、それにより「独自のデータフォーマット」という
> 「囲い込み」から、レセコンを使う医療機関を開放することを
> 狙ったためである。このプロジェクトが成功した場合、オープン
> ソースのレセコンソフトウェアを使うことによって、レセコンソ
> フトそのものは無料となる。そして有料なのは、パソコンという
> ハードウェアの料金と、メンテナンス業者に支払うメンテナンス
> 費用(また、その他ネットワーク費用やオープンソースのソフト
> ウェアの媒体等の雑費)ということになる。メーカーが関与する
> ことには変わりはないが、従来のレセコンビジネス形態と比較す
> ると、そこに「公平公正なサービス競争」が生まれ、より良質で
> より安いメンテナンス業者を選ぶ自由が生まれることになるのが、
> 大きな違いとなる。すなわちレセコンの業界構造自身を再構築す
> ることになるのである。
> 
>  このことを理解すると「Windowsベースのレセコンソフトなら、
> メーカーに頼らずとも自分で操作設定できるのに」という批判が
> まったく的外れであることがわかる。Windowsベースであっても、
> それで自分でレセコンをメンテナンスできる医師などほんの一握
> りである。そうではなくて、仮称ORCAの目指しているものは、
> レセコンを使っている全医療機関の「囲い込み」からの開放と、
> コストダウンなのである。